特別養護老人ホーム あさひ苑アネックス
所在地 | 富山県高岡市 |
建築主 | 社会福祉法人あかね会 |
構造 | 木造 |
規模 | 地上3階/延床面積4,370.51㎡ |
病床数 | 80床 |
竣工 | 2019年 |
特別養護老人ホームあさひ苑アネックスは、社会福祉法人あかね会が事業主となる施設で、同法人による特別養護老人ホームあさひ苑、複合型介護施設あさひの里が併設されている。また、系列グループである医療法人サンバリー医療福祉グループのサンバリー高岡病院、老人保健施設しきのケアセンターも併設されており、地域包括ケアシステムを構築している。
・建物は3階建て耐火木造(枠組壁工法)を採用しており、富山県初となる3階建て耐火木造特別養護老人ホームである。耐火木造を採用した大きな理由としては、計画敷地の地盤があまり良くなく他の工法では杭が必要となってしまうため、建物重量を軽量化してべた基礎とすることによりコストを大幅に削減できること、工場生産により品質管理・工期短縮を図れることである。その他、木造床により入所者の転倒時による怪我の低減、スタッフの歩行時による腰への負担が低減され、更に耐震性、耐火性、断熱性にも非常に優れている。
・施設構成は、1階部分は事務系統スペース、保育所スペースとなり、2・3階は居住スペースとなる。居住スペースはユニット型全個室タイプとなり、1ユニット10名単位で2階が4ユニット、3階が2ユニット、計60室となる。3階倉庫部分はスケルトンになっており、将来入居枠が増えた場合にも2ユニット計20室まで対応できるよう、消防設備のみ設置して初期費用を抑えている。保育所は企業主導型保育園として同グループスタッフの働きやすい職場環境を整え、また、地域の子どもも受け入れることにより待機児童問題の対策など多様なニーズに応える施設となっている。
・建物外観は、住宅地に調和するよう窯業系サイディング(耐火認定品)を採用し、家族や地域の方が安心して訪れることのできるよう温かみのある色合いとしている。
・内部空間は、2~3階の居住スペース1ユニット毎に玄関、玄関ドアを設けてひとつの家に見立て、今までの生活のように過ごしていただくように色彩や素材感にも配慮した。
・1階は家族や地域の方を迎い入れるパブリックな空間でもあるので、むかしの日本家屋にはよく見られたシックな木目や鋼の鈍い光沢感をインテリアに取り入れた非日常の空間とした。また、保育スペースは存分に素足ではしりまわれるようにフローリングを全面に敷き子供たちが持ち込むカラフルな色が楽しめるようにナチュラルな色でまとめた。