激変する医療改革の中、今こそ戦略的な病院づくりを! その6
表題の課題にて6回目の記載となる。
通してお読みいただいている方は当連載の主旨が医療機関トップでなく、むしろ現場に主体を置いてきている事にお気づきのことと思う。 元気の出る、戦略的な体質の医療機関づくりは組織の多数を占める職員の均質化、
(バラツキ防止)、現場で生産性向上に直結する職員にポイントを置くべきである。この観点から自らは課せられた業務に対する理解と認識を得る為、以下のチェックを提案する。
1.「業務分掌」のアンケート実施
業務分掌とは自らに与えられた業務の範囲を明確に把握し、自己担当分野として実施する事を目的とする。
(1)まず、院内組織図を書いていただく。
病院という事業体の中で自らの所属する部門がどこに位置「するのか、改めて院内組織図を書き自部門を把握させてみよう。この事で院内におけるタテの組織、ヨコの連携等、筋肉や血液に相当する組織機能を理解するようになる。会議の有機性、有効な意味。他部門との連携の重要性が見えてくる。
(2)次に組織図上の自部門の上司は明確となるはずだが、組織上の更なる上司は誰か、が理解される。意外に一般職員は自らの直接上司は当然知っていてもその上司の更なる直属上司を知らない事がある。そして、この事がトップ、ダウン。ボトムアップの不徹底につながり、周知徹底を欠く組織形態となる。
(3)自分が担当している業務を細かい事まで書き込み、1週間分を集計する。基本的には集計した労働時間の計は、概ね40時間前後となる筈である。この業務リストから業務量(労働時間)の多い業務項目毎に区分し、ランキングしてみる。A,B,C分析と言う。通常、Aランクの業務がその担当者の主体業務であり、平均70%位のシェアとなる。BランクはA業務に付帯する業務であり、約20%前後となる。つまり、Aランク業務の多い担当者程、主体業務が明確であり、それゆえにその担当者の業務は無駄がないと言える。Bランクの業務はAランク業務に組み入れるとし、Cランク業務は自らの業務でないとしてカットすべき業務となる。「何をやっているのか訳がわからない」という人、言われる職員はCランク業務が多く、主体業務のウェイトが低く、つまり生産性、合理性の低い仕事をしている事となる。
(4)このABC分析は職員より管理者ランクに徹底した方がより有効である事は論を待たない。自覚と認識が生まれる事、必至である。
(5)元気で戦略的な病院づくりの為、このような仕掛けは有効である。悪化し、激変する医療環境の中、対策する事の面白さ、楽しさをみんなで味わおう!
対策は足元からのモデルである。
健斗を祈る
強い病院づくりを楽しもう