激変する医療改革の中、今こそ戦略的な病院づくりを! その11              

 前号にて提示した課題について取り組む。
 つまり、『次のステップに移行する。ある大きな問題を内包しているからである。』

 今回はこの『内包している問題』を対策する。
 月次運営会議にて『部門業務管理』を徹底し、実施する事で部門運営する為の業務、つまり業績管理を全うする事が出来るようになってきた。 各部門個別の業績上のチェックポイントが明確となり、このポイント基準が一般医療機関としてどの程度のレベルなのか、つまり当院にとって、当該部門の当該項目の数字は是か非か。つまり診療報酬として高額なのか、低額なのか。提供する質基準として良いのか、悪いのか、比較ができるようになる。この結果、高ければ何故?低ければ何故?と問題として捉え、そこから対策が出てくる。この問題意識と原因把握の上での対策実施がルーチン化してくるのである。現状、どの顧問先医療機関においてもこの段階まで到達している。かつて考え、対策する事さえしない事業体質の医療機関としては、頑張った結果ではある。つまり、過去より特有の体質たる「指示待ち」体質が露呈し、自らは考え行動しない体質の限界が出て来た訳である。つまり、現状は限界であるという事。「内包している問題」とは、この事である。そうして幾つかの顧問先医療機関においてトライしている事は「業務管理」→「業績管理」から『予算管理』への移行である。現状、ほとんどの医療機関における「業績管理」とは日常業務の『結果』としての数字、基準でありそこには何等検討し、策定された『計画』が無い訳である。一生懸命か、まあまあ努力したが業務の「結果数字」であり、企画計画性が無い。「全ての利」は元にあり、併せて「全ての利」は充分検討された「企画」と「計画」である。「企画」とは基本的に当該法人全体の目標管理の事である。目標管理とは、法人としての事業計画、つまりどのレベルの診療報酬を獲得するか、という事であり、この法人全体の方針たる基本を意味する。法人としての経営計画が策定されたら、次には法人全体を支える各部門の事業計画の策定である。「計画」とは、法人全体の事業計画を策定する目標管理であり、業績を策定する「ヒト、モノ、カネ、情報、サービス等」の構成である。部門として自部門を維持、発展させる為の具体的な収入(インカム)計画であり、支出(アウトプット)管理である。結果として収益(プロフィット)確保の為の手法である。従来の「結果業績管理」から「策定された業績管理」つまり「予算」として策定された「部門予算管理」となる訳である。基本概念は、その事業化たる経営理念、運営方針に根拠するものであり、この基本計画を受けて各部門が「計画」を策定するものである。つまりは基本的には組織としての「事業体」の単位、それを支える各部門の業績の予算化が策定される。始めに「利益計画」ありの考えが「予算」たる所以である。この作業は、事業への「経営参画」型職員を育て、つまりは労使一体。労使協調体質をつくる事になる。まさに「人罪」<「人在」<「人材」<「人財」の図式となる経営体質が醸成されてくる。この段階まで到達すると次のステップは更に「経営参加型」事業体の構築である。

 この事は次号にて解説する。

 健斗を祈る

 強い病院づくりを楽しもう